2024年を目途に発行される新一万円札の肖像画として採用されることになった渋沢栄一。
「民の繁栄が、国の繁栄につながる」という想いのもと、1878年に東京商工会議所を創立し、初代会頭を務めた。
大河ドラマ「青天を衝け」でも郵便事業を始め、銀行設立など国の基礎を作るべく奔走している栄一。
「道徳経済合一説」をはじめとする渋沢栄一の教えは、現代に脈々と受け継がれ、多くの企業経営者がその理念を今も学んでいる。
【道徳経済合一説とは】
渋沢栄一の考えの中心となったのは、「企業の目的が利潤の追求にあることは間違いではないが、その根底には道徳が必要であり、国ないしは人類全体の繁栄に対して責任を持つことを忘れてはならない」という思想。
そのような考えをはじめとした処世術(生きる上での術)を纏めたものが『論語と算盤』である。
現代社会でも色あせることのない渋沢栄一の思想は、アメリカ合衆国の著名な経済学者にも多大な影響を与え、東アジア諸国でも大きな注目を集めている。
【渋沢栄一が今の「東京商工会議所」を設立した理由】
世論をつくるために!
欧米列強との貿易に関する不平等条約の撤廃を目指していた明治政府は、「(不平等条約は)世論が許さないから」とイギリス公使ハリー・パークスと交渉を行った。
しかし、「日本には世論はあるのか?日本には多数が集合して協議する仕組みがないではないか。個々めいめいの違った申し出は世論ではない」と反駁されてしまう。
こうして「輿論(よろん)」が必要となり、時の大蔵卿大隈重信は渋沢栄一に相談を持ちかけた。
渋沢栄一はパリ万国博覧会随行(1867(慶応3)年)した渡欧経験から、欧米の商業会議所を思い起こし、「国の法律によらず一般商人の申し合せで団体組織をなし、実際にやっているから、充分やれる」と答えたという。
栄一は東京商工会議所の設立を日本の実業界の地位を向上させる好機と捉え、「設立については実業界の問題を多数の人々によって相談して公平無私に我が国商工業の発展を図らなければならない」と考えた。
【東京商工会議所にてイベント開催!】
東京丸の内にある東京商工会議所。
ビルの1階のスペースにて、渋沢栄一の終焉の地であった「東京北区」の企業が集まり、渋沢栄一にちなんだ商品を販売する。
深谷で育った栄一の、新鮮野菜のお漬物、商売の基礎を築いたといっても過言ではない藍玉販売=藍染め商品、お饅頭、北区の名産品など数々の商品がずらりと勢揃い!
渋沢栄一のおもてなし【物産展】
~王子飛鳥山の茶室 無心庵から~
開催期日:2021年10月28日(木)・29日(金)
開催時間:11:00~18:00
入場無料
アクセス:東京都千代田区丸の内3-2-2(丸の内二重橋ビル)1階多目的スペース
JR「有楽町」駅より徒歩5分(地下鉄日比谷線「日比谷」駅・有楽町線「有楽町」・千代田線「二重橋」駅)