東京北区王子の飛鳥山近くにある七社神社という神社がある。七の社(やしろ)として、「新編武蔵風土記稿」には、「西ヶ原村七所明神社、村の鎮守とす紀伊国高野山四社明神をおうつし祀り、伊勢・春日・八幡の三座を合祀す故に七所明神と号す。末社に天神・稲荷あり云々」と記されているようだ。7つの神社を合祀したもの、7柱の神が祀られている。
・伊邪那岐命(イザナギノミコト)
神代七代の最後に生まれた男神で、天の御柱を周り伊邪那美命と結婚し、国生みを成し遂げ、多くの神々を生み出した天津神。
・伊邪那美命(イザナミノミコト)
神代七代の最後に生まれた女神で、天の御柱を周り伊邪那岐命と結婚し、国生みを成し遂げ、多くの神々を生み出した天津神。
・天児屋根命(アメノコヤネノミコト)
天照大神が天の石屋に閉じこもった際「祝詞(のりと)」を奏上した神で、中臣の祖神として信仰され、祝詞の神とも言われている。また天孫降臨の際には邇々芸命(ニニギノミコト)の従者として共に降臨した。
・伊斯許理度賣命(イシコリドメノミコト)
天照大神が天の石屋に閉じこもった際「八咫鏡」を鋳造した、鏡作りの祖神。また天孫降臨の際には邇々芸命(ニニギノミコト)の従者として共に降臨した。
・市寸島比賣命(イチキシマヒメノミコト)
天照大御神と須佐之男命の誓約(うけひ)の際、成った宗像三女神の一柱の神。航海の守護神・水の神。
・仲哀天皇(チュウアイテンノウ)ー帯中日子命(タラシナカツヒコノミコト)
第十四代天皇。倭建命(ヤマトタケルノミコト)の子、応神天皇の親。
・応神天皇(オウジンテンノウ)ー品陀別命(ホムダワケノミコト)
第十五代天皇。母は神功皇后。八幡信仰の祖。厄除け・成功勝利の神徳。
【渋沢栄一と七社神社】
渋沢栄一翁が明治12年に西ヶ原村内に飛鳥山邸(別荘)を構え、明治34年には飛鳥山邸を本邸とし、この七社神社の氏子となった。崇敬心も篤く大正9年には、渋沢栄一翁を筆頭とする諸氏の寄付により社務所が建築され、また渋沢栄一翁揮毫(きごう)の社額・掛け軸を始めとした奉納品が神社に納められているなど、七社神社は渋沢栄一翁ゆかりの神社でもある。
渋沢栄一翁揮毫(きごう)の社額
天照皇大神の掛け軸
七社神社が遷座する前より鎮座している一本杉神明宮の御祭神と七社神社の御祭神を渋沢栄一翁が揮毫された掛け軸。
論語の一節を渋沢栄一翁が揮毫(きごう)された額
青淵書とある。
「論語 顔淵第十二 二十四」
曾子曰 君子以文會友 以友輔仁
曾先生がいわれた。「君子は、教養を中心にして友人と相会し、友情によって仁をたすけあうものである」(下村湖人『現代訳論語』)
我々も渋沢栄一翁の考え方を踏襲し、商売繁盛や開眼成就を願ってこの七社神社でご祈祷をした。荘厳で心がすっと洗われたような気がした。https://www.shibusawa-world.com
【アクセス】
七社神社
東京メトロ南北線「西ヶ原」駅2番出口より徒歩2分
JR京浜東北線「上中里」駅「王子」駅より徒歩10分
都電荒川線「飛鳥山」駅より徒歩5分
住所:東京都北区西ヶ原2-11-1